雨上がりの道をズーマーで走っていたら。 ニャーニャーって泣き声がして。 なんだろうって見たら、ダンボールにはいった猫が震えていた。 どうしてもほっておけなくて。 ダメなのはわかっていたけど。 そっと自分の懐に入れた。 その行動を後悔したのはそれから10分後のこと。 Lovely Cats おばさんとかに見つからないようにそっと階段を上がって。 ベッドで雑誌を読んでいる蓮を確認してから、はぁと溜め息をついた。 「蓮〜こいつどうしよう…」 隠していたそれをゆっくりと出してやる。 「…お前こんなもんつれてきてどうするつもりだ?」 ニャー、と鳴くその猫は寒そうに身震いしている。 それを見た蓮が溜め息混じりに猫を抱き上げた。 「雨、降ってたのか?」 「うん…寒いのかな?」 蓮の腕に抱かれた猫はまだ少し寒そうにしている。 「城戸、牛乳あっためてもってこい」 そう言われて急いで部屋を飛び出した。 おばさんにばれないようにこっそり温めたミルクを二階に運ぶ。 部屋に戻ると蓮はさっきの格好のまま猫を抱いて温めていた。 「持ってきた」 差し出すと、それを蓮が無言で受け取って猫に飲ませる。 だいぶ温まった猫はお腹も減っていたようで勢いよく飲み始めた。 「お、飲んだ〜!!」 猫の頭をなでる。気持ちよさそうにしながらそれでもミルクは飲んだまま。 ふと、蓮を見上げる。 そしたら…。 蓮が今までになく優しい表情をしていた。 きっと蓮は猫好きなんだろう。 こうやって面倒がらずに世話をしている事からして珍しいから。 考えていたらなんだか猫が羨ましくなった。 いっつも適当にあしらわれる俺。 可愛がってもらってる猫。 人間と動物の違いなのに、なんだか情けないけど。 あぁ、こんなんだから俺ダメなんだろうなぁ…。 少し落ち込んだ。 しゅんとなっていると、急に蓮の手が頭に乗っかってくる。 「何しょぼくれてるんだ?」 片手に猫、片手に俺。 なんだか奇妙な光景だけど、俺も見てくれてたんだ、と思うとちょっと嬉しい。 「だってさ…」 つまんない、と言い切るまえにぎゅっと抱きしめられた。 片手だけで、だけど。 「お前は子供か…」 「どうせ子供っぽいよ、俺は」 いいじゃん。 独占したくなる程、蓮のこと好きなんだから。 その想いは胸の中に閉じ込めて。 思いっきり抱き返した。 「猫はこんなことできないよな〜」 「馬鹿か…」 そのままの状態がけっこう続いて。 気持ちよくなってきて。 ふわ〜と眠気がやってきた。 「眠い〜…」 そう呟いたら蓮が抱きしめてた腕の力を少し緩めてくれる。 「少し寝たらいい」 ゆっくり髪の毛を梳かれて、それが気持ちよくて。 すーっと眠りに落ちていった。 暖かくて。優しくて。 きっと蓮に抱かれてた猫もこんな気持ちだったんだろう。 拾ってきてよかった、と思ったのは眠りに付く寸前。 人間でよかった。 こうして蓮としゃべったり抱きしめあったりキスしたりできるから。 それだけで幸せを感じる事ができるから。 ちょと猫に感謝した雨上がりの昼下がり。 Fin. 後書き。 す、すいません…。こんなしょうもない物しかかけませんで…。 こんなものでよろしければ捧げさせて頂きます。 これが相互記念でいいのだろうか(よくない) でわ、これからもよろしくお願いしますvv Written by 如月ユキ |
如月ユキ様から相互リンクの件で頂きました。 ラブラブにゃんにゃ――――――――ん!!!(何) 嗚呼、初めて見た時思わずニヤニヤしてしまったよ… 本当に、どうも有難うございましたv 戻る。 |
|