「雄一っ!!」 ピアノの鍵盤に滴り落ちる血。 それが 俺の契約者 手塚海之と会った時だった。 +++海のかおり+++ 魂を喰らう為。 そのためだけに近づいたのに。 いつの間にか 彼に魅せられていたのかもしれない。 『海之。』 「何だ?」 『いいかげん俺の背中を舐めるのをやめてくれないか?』 「はっ!…す…すまない…。(オロオロ)…だって…お前…海の味がするんだ…。」 『…まぁ…別にいいが…。海が好きなのか?』 「海のかおりがするエビルが好きなんだ。」 その時 俺の顔が赤くなった事を 君は知らない。 ガブリ。 『ギャー!!!!!!! 噛むな!噛むな!海之!!噛むな!』 「はっ!す…すまない…!海のかおりのエビルが… おいしそうで…(ぼそり)」 その美しい魂は 俺の中に入ることはない。 俺が 守ろうと思ったから。 そして きっと その前に俺が食われるから。 |